【2019年】カリフォルニアでBlack Fridayに新車を買ってみた。

Black Fridayに新車を買ったらある意味貴重な経験をした件。

アメリカ生活で自家用車はやっぱり必要。

　前回の記事でZipcarについて紹介しましたが、私たちは５年以上はアメリカで生活することが決まっているので、ずっとZipcarのお世話になるのではなく、新車を購入し、ここを卒業するときには売却予定。

　日本では車の免許は持っているものの、ほとんど運転経験がなく、もちろん車の知識もないので、新車を購入するにあたって何から調べればいいのかもわからない。取り敢えず「アメリカ　新車　購入」でググってみると、Kelley Blue Bookというサイトが車版の価格.comと知り、気になる車を調べてみた。

www.kbb.com

Kelley Blue Bookとは？

アメリカの車情報サイト。新車・中古車の価格幅や５年後売る時にどれぐらいの価値が下がる予定かなど、購入者へのお助けサイトです。車種ごとの販売人気ランキングや評価など、車初心者にもわかりやすく説明がされているので、アメリカで車を購入するなら必ず見ておくべきサイトです。

アメリカは現物限り

　”まずはディーラーに行ってみて、どんな感じでセールスを受けるか体験してみよう”と９月初旬にTOYOTAのディーラーへ。

　そこのディーラーには大きなタッチパネルが置いてあり、保有している新車と中古車のラインナップを閲覧できるようになっている。タッチパネルをいじっていたら、スタッフが声を掛けてきた。「どんな車がいいかもわからない」と話したけど、嫌な顔せず、お勧めされた車を軽く見させてもらって、

　「現状の価格はこれだけど、実際に買う気になったら価格交渉は受けるよ」と言われ

　その日は特に試乗など価格交渉もせず帰宅。

　初めてのディーラーに緊張して終始ヘラヘラしてるだけだったが、帰宅後、あの時に聞いておけば良かったと思うことがたくさん出てきた。そもそも、私は人生で車の購入も疎か、ディーラーにも行ったことがない人間だが、

”新車ってディーラーで車を選んで、それからオプションなど色々カスタマイズして注文するんじゃなかったっけ？”と思った。

　不思議に思って調べてみると、アメリカではディーラーに置いてある車をそのまま購入する仕組みになっていた。

　よって、あの色のあの車でこのオプションがついているものが欲しいなと思っても、市場に出回っていないと購入できないし、新たにオリジナルの車を用意してもらうこともできない。

アメリカのカーディーラーはフランチャイズ

　アメリカのカーディーラーはフランチャイズ経営で、ディーラーごとに経営や価格設定が行われている。

　例えばTOYOTAのAディーラーに行って、Bディーラーで保有している車を購入したいと話をすると、AディーラーとBディーラーで交換の交渉が行われる。Bディーラーに置いてある車（欲しい車）とAディーラーに置いてある車（同等価値）をトレードするそうだ。ただし、車の価格はBディーラーで売っている価格で売ってもらえる確証はない。

　なぜなら各ディーラーが価格設定を行っているので、AディーラーがＢディーラーより高値でその車を売ってくる可能性があるのだ。じゃあ、初めからBディーラーに行けばいいじゃないって思ったそこのアナタ。アメリカは広いので近郊にいくつも同じディーラーはないのだ。

Black Fridayが始まった。

　アメリカでは１１月の台木曜日の翌日にBlack Fridayというビッグセールが開催される。大抵のお店は１１月の中旬ぐらいからセールが開始される。アメリカのカーディーラーも１１月頃から毎日のようにBlack FridayのキャッシュバックキャンペーンのＣＭが流れていた。

　最新モデルはセール対象ではなく、２０１９年のモデルの在庫処分が対象だ。この機会を逃してしまうと、来年の１１月まで最新モデルを定価で購入するしかない...。

　私たちが車を購入するまでに行ったディーラーの数は、全部で４か所。　

　全て日本メーカーである。

　日本のディーラーに行ったことがあればカルチャーショックを受けたに違いないが、行ったことがなくても驚く経験をしたので、語っていきたい。

SUBARUのディーラー（治安の悪さ　なし）

　SUBARUは家から歩いて行ける近さにあったことと、Cross trekが比較的お手頃価格だったので、行ってみることに。予約せずに行ってみると感じの良さそうなおじさんが対応してくれた。予算やどんなタイプの車が欲しいかなどを聞いてくれて、色んなグレードの車も見させてもらった。そのあと人生で初めて試乗もさせてもらって、最初はスタッフが運転して、軽く運転操作や機能を説明した後に、私と交代。

　Cross trekには自動運転機能が装備されており、初めての体験だったので思わずジェットコースターに乗った時のような声を上げてしまった。お店に戻った後に価格や機能の詳細の説明を受け、「また聞きたいことがあったらメールしてね」と言われておしまい。

HONDAのディーラー（治安の悪さ　☆☆）

　Zipcarで何度かHONDAのCR-Vに乗り、SUVなら長時間運転も疲れにくいだろうとしと思い、来店。

　HONDAのディーラーがあるエリアの治安はよくない。

　私が治安の良し悪しを判断する基準は、

　そこにホームレスやテントがたくさんあるか、道を歩く人たちの黒人と南ア系の割合が多いか、立ち並ぶ家が網の柵で囲われているかである。

　HONDAのあるディーラーはその全てが当てはまっている。

　今回も予約はせずWalk inで車を見せてもらいたいと言った。

　出てきたスタッフは何だかやる気がなさそうで、開口一番「今日買わないの？」と言ってきた。「近いうちに購入予定だが、今日は買わない」と言ったら既に彼の中では仕事は終わったらしく、更にやる気のない表情になった。

　「CR-Vを見せてほしい」と言ったら、店の前まで出してくれたのだが、

　その汚さに驚いた。もうずっと掃除してないですよね？と言いたくなるくらいのホコリや鳥の糞だらけで引いた。触れるのも嫌なくらいに汚くて、「試乗したい？」と聞かれたけど、それも断った。

　そんな私たちの態度が気に食わなかったのか、ずっと手に持っているボールペンをカチカチカチカチ鳴らしながら「今日買わないの？今日買いなよ」って言ってくるから、「今日は無理だよ」というと、彼は軽く握手し、私たちを置いて店へと帰っていった。　結局、彼の名刺は貰っていないし、見積もりの話もできず、アメリカのディーラーってこんなに店によって対応違うんだと心底驚いた。

Oakland TOYOTA　（治安の悪さ　☆☆☆☆）

　始めに行ったTOYOTAはBerkeleyにあるTOYOTAなので、こちらは別店舗。

　Oarklandは全米でも治安の悪さはトップレベル。Oarklandに住むホームレスの数は前年比で２倍に増え、犯罪や銃殺も頻繁に発生する。それでもOaklandへ行ったのは、この日には既にRAV4の購入を決めていて、値引きの材料に他店のRAV4の価格を知る必要があったからである。

　その日は事前に予約をして行ったのだが、受付の人は予約したことを知らなかった。予約の対応をした相手はその日は休日だったらしく、それなら他のスタッフに引き継ぐなりすればよいのに、それすらしていないのはなんともアメリカらしい。

　仕方がないので、改めてRAV4を見せてほしいと言うと、外へと案内されたのだが、その日は雨が降っていて、私たちはUberで来たために傘を持っていなかった。スタッフの人はTOYOTAのロゴが入っている大きな傘を持っていたので、使わせてくれるのかな？と思ったら、彼だけが傘をさして、私たちは雨の中、傘のないまま歩くことに。つい日本語で「自分がさすんかい！」と言ってしまった。

　これまでのディーラーでは、試乗はまずスタッフが運転してから交代だったが、この日はいきなり「運転どうぞ」と言われ乗ることに。RAX4の運転はこれで２度目だったので、運転操作に戸惑うことはなかったが、いきなり説明もなく運転をしたことがない車を乗るのは怖い。

　試乗後は店に戻り、見積りの話をするかと思ったら、唐突に名前や住所、電話番号、職業、収入などの質問をされ、パソコンをゆっくりタイピングをし始めた。車の話を始める前に、いきなり個人情報を聞かれることは他のディーラーではなかったが、仕方なく答える。

　質問が終わった後、サインを求められたので、「今日は見積りを聞きに来ただけで、買う気はないよ」と伝えると、「これまでの時間はなんだったんだ？」と言われた。「予約メールでもここに来てからも今日買うなんて一言も言っていない」と伝えると、スタッフは嫌そうな顔をして席を立った。

　その後すぐにチーフを名乗る人がやってきて、「これまでの時間を無駄にしたくないだろ、ビジネスしようよ」とごり押しセールスが始まった。

　ただ見積りが欲しいだけなのに、一切車の情報や見積りを見せようとしないので、最初に行った店舗の見積り書を見せて、この車と今回試乗した車のスペックの違いを教えて欲しいというと、「ほとんど変わらないよ」しか言わなかった。

　更に、「今ならこの値段で（3000ドル近い値段）売ってあげる」と言われ、なんだか悪魔と取引きをするような気分になり、困惑していると「席を立つからそれまでに二人で話合いなよ」と言ってチーフを名乗る人はどこかへ行ってしまった。ちなみに、このディーラーに入店してから、誰一人として名刺を渡してくれる人はいなかった。

　驚きの値引きだったので、しばらく買うか迷ったが、アメリカは車の不具合や故障は購入したディーラーに見てもらわなくてはならないので、こんなスタッフがいるディーラーとの今後の付き合いに恐怖を覚え、断って帰ることにした。しかし、どのスタッフも待てど帰ってこず、仕方がないので受付の人に帰る旨を伝えて帰ることに。Uberが到着するまで更に１０分は店内にいたはずなのに、どのスタッフも出てくることはなかった。

なるほど、治安の悪さはディーラーの質をも左右させるのか。

Berkeley TOYOTA 　(治安の悪さ　なし）

　Oaklandでは名刺を貰うことも疎か、正式な見積書も貰えなかったので、果たして値引き交渉の材料になったとは言えなかったが、車を購入するならここしか選択肢はないし、早く終わりにしたいと思って、Oaklandから脱出したその足でBerkeleyのディーラーへ行くことにした。

　前回対応してくれたスタッフがいたので、値段について話をしたいとOaklandで口頭で言われた見積りの話をした。するとそのスタッフは驚いた顔をして、マネージャーのところへ席を立った。暫くして、スタッフが持ってきた作り直された見積書の額を見るとOaklandの見積り額より2000ドル高い見積りだった。流石にOaklandより安くしてもらうことは難しいとは思っていたが、同等の額になると期待していたぶん、私たちも驚いた。2000ドルはかなり大きい額なので、Oaklandに戻って悪魔の契約をするか悩んでいると、

　そのスタッフが「Oaklandに行って何とは言わないけど、感じたことがあると思う。君たちは奇妙な体験をしたと思うよ。」と言葉を濁し、「この見積りはありえないくらいの破格だけど、きっとその後で色んなものが付けられて、最終的にはこんな価格にはならないはず」とも言われた。

　もし、Oaklandで契約することになったら最終価格はいくらだったんだろうと気にはなったが、Oaklandにはもう戻りたくないし、安心をお金で買うつもりで、私たちはここのディーラーで買うことを決めた。

　結果、前回よりも少し値引きができたことと、1000ドルの7年無制限無料点検のプランを無料で付けてもらうことが出来た。値引き交渉に成功したのか失敗したのかはOaklandに行ってしまったばかりに分からなくなってしまったが、日本のディーラーでも場所によってここまで接客が違うのかと勉強になった。

まとめ

　これからアメリカで新車を購入予定の方へのアドバイス。

　まずは、Kelley Blue Bookでその車の適正価格を確認。ある程度車を絞ったら、メーカー公式サイトではなく、そのディーラーのサイトへ行って、ディーラーが保有している車を確認。目当ての車が見つかったらまずはWalk inでディーラーに行ってみる。（予約をすると購入したい気持ちが強いと思われてしまうので）

　どこのメーカーの車を買うか決まったら、２店舗以上の同じメーカーのディーラーへ行って価格交渉。この流れが一番スムーズな気がする。

　つらつらと愚痴のような体験談を書いてしまったけど、新車購入の参考になってくれれば嬉しいです。